誰にも聞けない遺品整理・特殊清掃のこと
「遺品整理ってどんなことをするの？」
「特殊清掃って何？」
遺品整理を経験することは人生にそう何度もあることではないので、このように聞かれても自信を持って答えられない方が大半ではないでしょうか。
ここでは、皆さまが安心してご依頼いただけるよう、遺品整理・特殊清掃に関する基礎知識・豆知識について解説いたします。
遺品整理とは
亡くなられた方のご遺品を丁寧に整理するとともに、お部屋を綺麗に清掃して原状復帰させることをいいます。
遺品整理と遺産整理の違い
家財道具の処理など、ご遺品の物理的な片付けを行うのが遺品整理、相続財産について財産目録の作成や遺産分割協議といった相続手続きを行うのが遺産整理です。一般的に、遺産整理は司法書士や行政書士、信託銀行が行います。
遺品整理の発展
近年、少子高齢化・核家族化を背景に高齢者の孤独死が社会問題化し、家具や生活用品が大量に残された状態で住人が亡くなることが多くなりました。ご遺族だけでご遺品の整理や廃棄を行うのは精神的・体力的にかなりの負担を強いられることから、遺品整理のニーズが増加しています。
2011年には複雑な過去により心を閉ざしてしまった若者たちが、遺品整理の仕事を通して再生していく姿を描く映画「アントキノイノチ」によって、遺品整理の存在が全国に知れ渡ることとなりました。
最近では、遺品整理がテレビや新聞、ラジオといったマスメディアにも取り上げられるようになっているため、今後ますます世間からの注目が集まることが予想されます。
業者による遺品整理料金の違い
遺品整理業者によって、料金にかなりバラつきがある場合もございます。
その理由のひとつには、ご遺品を処分する際にかかる費用の差があります。
廃棄物の収集・運搬の許可を得ていない業者は、ご遺品の処分を外部の業者に委託せざるを得ず、どうしても中間マージンが発生してしまいます。コストを抑えるためには、自社でご遺品の整理から処分まですべて対応できる業者を選ぶのがポイントです。
遺品整理におけるトラブル
現時点では遺品整理業に関する法整備がほとんど整っていないこともあり、残念なことではございますが、悪徳な業者も少なからず存在します。
不当買取
相場以下、低価格での買取
価値のある大切なご遺品を、市場価格よりも相当低い価格で買いたたくケースが多発しております。
正しい査定の目を持つ業者を選ぶことが重要です。
不法投棄
ご依頼者さまが法的責任を問われる恐れも
業者の中には、廃棄物を処分するための料金を請求したにも関わらず、できるだけ処分費用を抑えようと、不法投棄を行う悪質なところも存在します。
その場合、不法投棄された廃棄品からご依頼者さまや故人の身元が特定され、警察からご依頼者さま宛に問い合わせがくる可能性もございます。
法外な高額請求
作業後に請求される法外な追加料金
作業終了後に見積金額の数倍という法外な追加料金を要求する悪質なケースもあり、問題となっています。
貴重品・大切な遺品の勝手な処分
大切なご遺品をゴミや不用品のように粗末に扱う業者に依頼すると、間違えて大切なご遺品を処分してしまう、手続きがあまりにも事務的すぎるため、かえってご遺族の心情を軽視しているように見えて不快感をおぼえる、などのトラブルに見舞われることもございます。
ご遺族のご要望や想いに寄り添い、綿密な打ち合わせをした上で丁寧に作業を行ってくれるような、信頼できる業者を選ぶことが重要です。
トラブル回避方法
信頼できる遺品整理業者を選ぶことが最重要
特殊清掃とは
事件や事故、自殺等があった場合や、孤立死や孤独死があった場合、遺体の発見が遅れると、遺体の腐敗や腐乱により室内がダメージを受けてしまいます。
このような場合に原状回復を行うことを、「特殊清掃」といいます。
特殊清掃の主な作業
遺体の搬出後も、悪臭、汚物、害虫などが残っている居室は、特殊清掃が必要です。
床や壁にしみこんでしまった汚れや臭いの除去は、一般の方にできることではありません。ハウスクリーニングやリフォームをしても、見た目の回復はできますが、特殊清掃の技能がなければ完全に悪臭を消すことはできないでしょう。
完全な原状回復のために、特殊清掃では以下の作業を行います。
汚物などの除去
床や壁に残る、血液や体液といった汚物を除去いたします。
汚れがついてしまったベッドや布団、カーペットを動かし、床下や壁に染みこんだ汚れも丁寧にクリーニングしていきます。
害虫駆除
ハエやウジ、ゴキブリなど衛生上に問題がある害虫を放置しておくと、隣室へ逃げ込んでしまったり、菌を運び出してしまったりすることもあるため、徹底的に駆除します。
消毒・除菌
たった1滴の血液でも、感染症を引き起こす恐れがございます。
感染症を予防するため、特殊清掃用の特別な薬剤と機器を使用し、徹底的に消毒・除菌を行います。
特殊清掃中には特殊清掃員も感染症に気を付ける必要があり、高い技術と経験値が求められます。
消臭
いくら特殊清掃をしても、悪臭が残っていては意味がありません。
強力に臭いを分解し、見落とされがちなカビから発生する悪臭まで処理できる機能を持った、最新のオゾン発生器や特別な消臭剤を使用し、徹底的に消臭いたします。
作業は完全に消臭できるまで繰り返します。
解体・リフォーム
特殊清掃の現場では、体液などにより床下まで浸食されているケースも多くあります。
床上の特殊清掃と同時に、床面の張り替えなどのリフォーム作業を行った方が安価に収まる場合もございます。
どのような現場の状況でも、幅広く対応いたします。
作業後は何事もなかったようにお部屋をお使いいただける特殊清掃を行います。
